映画鑑賞メモ

ネタバレを含んでいますのでご注意ください

フルスロットル (Brick Mansions)

うん、君たちが悪いんじゃないことはわかってるよ。

脚本のせいだよね。脚本にそう書いてあるんだもん、しょうがないよね。

ああ、あなたの脚本でしたか...リュック・ベッソン監督。

ならば納得です。ええ、最初に気がつかなかった私が悪いんです。

だから文句なんていいませんとも。 

フルスロットル(字幕版)

フルスロットル(字幕版)

  • 発売日: 2014/12/17
  • メディア: Prime Video
 

 ※ ポール・ウォーカーについて詳しく調べるきっかけになった作品で、これを書いた時は「ポール・ウォーカーの足跡」で書いたようなことはまだ何も知らない状態。書き直そうかとも思ったが、いまはもう映画をどうしても色眼鏡をかけて見てしまうので、最初に見た時と同じ印象は持てないと思うのでそのまま更新することにした(←書き直すのが面倒臭いだけともいう)。

 

 

最初から全然期待はしていなかったけれど、びっくりするぐらい登場人物が頭を使わない人たちばかりだったので。でももう脚本にそう書いてあるんだからしょうがないよね、君たちは悪くないと画面に向かって何度呟いたことか。

まただよ、リュック・ベッソン監督。

あなたの脚本だよ!

 

 というわけで物語や展開自体はツッコミどころ満載すぎていくら毒づいても足りないぐらいなのでもう省きます。

  というか、そんなことはもう本当にどうだっていいんです。

 内容はどうしようもない映画だけれど、でもある意味ものすごくいい映画だったと思わざるを得ない理由があるんです。

  そもそも「ワイルド・スピード ICE BREAK」を見ようと思ってネトフリにログインしたんです。

 当初はブライアンがいないワイルド・スピードを見るのは辛いかと思ったのですが、でもここまでくると他のキャラクターにも愛着がでてきたし、乗りかかった船ということで完走めざそうかと心を決めて。

 ところが検索するとこちらの作品が先にヒットしまして。

 ポール・ウォーカー主演ということだったのでなんとなくこちらを見てみることにしたのです。

 他の作品だとどんな感じの演技をする人なのかなぁと興味がわきまして、それで。

 

 ポール・ウォーカーが演じるのは刑事で麻薬組織摘発のために危険な潜入捜査に身を投じ、卓越した運転技術を持っているダミアン...

 って、待ってこの設定ってまんまブライアンじゃん。

 ワイルド・スピードでさんざんやってるような役柄をまたやるっていうのは、やっぱりそういうオファーしかこないからなのか、それともたまたまスケジュールが空いていてこれなら役作りに時間をかける必要はないからお仕事と割り切ってでたのか、監督か脚本家か誰かが知り合いで頼まれてオファーを受けたとかなのか....。  

 にしてもあまりにも被った役柄であり話のつくりだったので、ワイルド・スピードシリーズがオフの時でもこういうのやりたいって、この人は基本的に車とアクションが根っから好きなんだなと。そう思わざるを得ないくらい妙に生き生きして見えたんです。

 スタントや格闘シーンも結構自分でこなしている感じ。

 顔がしっかり見えているからこれ自分でやってるよね?

 なんとパラクールにまで挑戦している。

 そういえばワイルド・スピードでも後半になるほどブライアンの格闘シーンもどんどんレベルアップしてきている。

 スタントマンさんがカバーする部分が多いだろうとはいえ、アクションがもっとこなせるよう経験を積みたくてこの映画のオファーを受けたのかもしれないなんてことも思った。

 映画の製作年度を見ないで見はじめてしまったけれど、ワイルド・スピードシリーズの撮影と撮影の合間にいれた仕事だったら、その可能性も大きいかな。

 ホブスの参入で映画のフィジカルな格闘シーンのレベルも割合もついでに重量感も格段に上がってきているからブライアン役としては自分のフィジカルレベルをもっと上げたいって思っていたとしても不思議はない。

(📝これを書いていた頃はまだポール・ウォーカーが恐るべし運動神経の持ち主でマーシャルアーツやエクストリームスポーツを若い頃からやりこんでいたことを知らないし、ワイルド・スピードシリーズを実はやめたがっていたことも知らない

 

 ポール・ウォーカーのことを思えばこんな映画でも(←おい)いろいろ切なかったり感慨深かったりするのだけれど、でもこの映画の登場人物全員が揃いも揃って脳みそが足りてない感じの展開はそういった感傷を粉微塵に吹き飛ばす勢いで。

 最後に”ポールに捧ぐ”の文字がでた時は「いや、これ捧げられてもね...ええー、捧げちゃうの??? 捧げちゃうのか...」とちょっと物悲しい気持ちに。

 この映画の脚本がリュック・ベッソンと知ったのはその直後のことだ。

 ね、もう物語や趣味の悪さについては忘れよう。

 

 そんなことよりも、だ。

 

 これはいつ撮影されたものなのだろうかということが気になってきた。あの事故が起こった時「ワイルド・スピード Sky Misson」の撮影は全て終わっていなかったわけだから「Sky Mission」の前に撮影されたということなんだろうか?

  ぐーぐるだ!

 

 いろいろわかりました......ちょっと涙をふいてきます。

 

 ええっと。

  この映画の撮影は2013年4月30日にスタート、「ワイルド・スピード Sky Mission」の撮影は2013年9月からなので、結構立て続けだ。

  共演者のダヴィッド・ベルはパルクールの創始者の1人。パルクール集団「YAMAKASHI」の創設メンバーでもあった人。

 ポール・ウォーカーは甥っ子からダヴィッド・ベルが出演している「District B」と「Banlieue 13」を見せられ以降ダヴィッド・ベルの大ファンになったとか。今回そのダヴィッド・ベルと共演できるということで大喜びで出演を決めたとか。

 ダヴィッド・ベルにアクションを教えてもらいつつ、一緒にYouTubeの動画を2時間近くみたり。屋外ロケも多かったことからポール・ウォーカー自身は撮影をとても楽しんでいたようだ。

 ダヴィッド・ベルの方はポール・ウォーカーとはじめて顔を合わせた時には先入観もあって少々他人行儀になってしまったらしい。しかし、撮影がはじまるとあっという間に気があって仲良くなってしまったそうだ。

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ダヴィッド・ベル曰く「自分と同じく子供っぽい好奇心とクレイジーな魂をもっている。もしかしたら自分以上に熱いヤツかも」と感じたとか。

 

 メイキングをみるかぎり、撮影現場はみんなで一丸と作り上げてる雰囲気がほとばしっていて、作る側にはとても楽しい現場だったんじゃないかと。

映画のラッシュをみたときポール・ウォーカーは自分のアクションシーンの出来上がりをみて子供みたいに大喜びしていたと監督。撮影中は二人して毎日あちこち違うところに怪我をしまくっていたとダヴィッド・ベルがインタビューで話していた。

  事故はポール・ウォーカーがこの映画のラッシュをみた4日後のことだったそうだ。

 

 根っからの車好きなようだったのでむしろなんでレーサーにならずに俳優になったんだろうという疑問もほのりとわくが、俳優業も全力投球だったことはワイルド・スピードシリーズの撮影スタッフの話で容易に伺える。他にも「まるでピーターパンがそのまま大人になったみたいで、好奇心たっぷりで興味のあることがあると目を輝かして、よく大声で笑っていた」というようなことを言ってるスタッフも多かった。

(📝これを書いている時は2歳の頃からショービス界で働いていたとは知らなかった

 

 そういえばポール・ウォーカーについて「子供がそのまま大人になったみたい」という表現をする人が多くて、ちょっと気になった。「ピーターパンがそのまま大人になったみたい」って褒め言葉かもしれないけれど、ちょっと微妙な意味合いな時もあるしなぁなんて思いつつ、いくつかインタビュー動画やメイキングをみているうちにすぐにわかった。インタビューなどで興味のあることには食いつきがすごいけれど、興味がないことになるとすぐに関心を失ってしまう。その切り替わりがあからさまなので「あ、飽きたな」とか「退屈しているな」というのがすぐにわかるので思わず笑ってしまった。

 なんだかポール・ウォーカーは知れば知るほど面白い人だし、動画を見ているとつい大笑いしてしまうんだけど、今はもういないんだってことを思い出すと余計にとても寂しい。

 

私の好み度: ⭐️⭐️/5

🍅:26%

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