映画鑑賞メモ

ネタバレを含んでいますのでご注意ください

ギフト (The Gift)

ESPカード占い?

 

 ケイト・ブランシェット演じる主人公アニーは生まれた時から霊能力をもっている。 カードを通してなんとなくビジョンが見えるのだ。それは未来のことだったり、過去のことだったり、霊だったりとまちまち。1年前に夫が勤務先の工場の事故で他界し、3人の息子を女手一人で育てながら、霊能力で人々の相談にのっていた。ある時、長男の担任ウエィンを学校に訪ねた時ウエィンの婚約者ジェシカとあい、アニーは不吉なヴィジョンを見てしまう。

 

 “この頃は、超能力とか霊能力とかあつかった映画ってあんまり普及していなかったのかな?” と感じてしまうくらい、色々とぎこちなく感じてしまった。“だいたいこんな感じだよね”とロクに下調べせずに配置したようなツギハギ感とでいうのだろうか。

 

 アニーが占いに使うカードがESPカードだったってところで、まず違和感を感じてしまったのがまずかった。

 ESPカードは透視能力をはかるためのカードというイメージが強いので、タロットカード的使い方をするのがいまいちピンとこなかった。まぁESPカード自体が胡乱なものといえば胡乱なものだし、コーヒー占いがあったりするように別にESPカード占いがあったとしても別に悪くはないんだろうけれど、でもここでまた違和感を感じてしまうのが、アニーがもっているのは超能力なのか霊能力なのかってところで、ESPカードをもっていると、アニーの特殊能力は超能力ってことになるから彼女には予知能力とかテレパシー能力とか、あとは物に感応して出来事を読み取るとか,,,超能力の種類とか名称とかよくわからないけど、そういうことになってくるイメージがあって、スピリチュアルなものに関連するものな感じがしないんだけど、でもそういう設定とかって別に厳密なものでもないから、あえて突っ込む必要のあるものでもないのかしらとかよくわからない。

 

 わからないので、まぁいいかとそこは気にしないでおこう。

 

 どうやら、彼女自身、この生まれた時から備わっている特殊能力がなんなのかよくわかっていないようなのだ。よくわからないが特殊能力のせいでいろいろ見えちゃったりするのだ。それがなんでなのかは彼女も知らない。あの世にいったおばあちゃんと自然に会話したり果物もらっちゃったりしているけれど、彼女にはそれが霊を見ているのか現実を見ているのかよくわからないのだ。おばあちゃんのことは死んでるとわかってるから「あら、いやだ。おばあちゃんたらまた化けてでてきちゃって」と判別できるが、知らない相手だったら霊だか実体だかわかんないんだろう。わかんないからバディのこともビックリしたし、それでようやくスピリチュアルに目覚めて旦那の墓参りをする気になったってことか。でもじゃあ、ばーちゃんとほがらかに話してたのはどういうことだ。スピリチュアルなものが存在することは知っているわけだから、旦那もどこかでみてくれているかもしれないなんてことはバディの件でようやく気がつく案件ではないはず。とすれば、なんだろうね。今回の事件でようやく旦那の墓参りにいく気持ちの整理ができたってことですかね。なにがどう作用してそういう気持ちになったのかはよくわからないけれど。

 

 アニーの特殊能力ネタをのぞけば、この映画はジェニファーを殺した犯人を捜すというシンプルなドラマだ。候補者はジェニファーの浮気相手で暴力夫のドニー、またまたジェニファーの浮気相手の検察官(名前忘れた)、幼児虐待にあってきたせいで心が壊れているバディ、ジェニファーの婚約者ウエィン、浮気されたドニーの妻。アニーが実際に目撃したものとイメージでみたものをみているこちらとしては犯人候補と犯人でない候補の選別はすぐにできる。その面子がいれかわるようなどんでんもなく、犯人が牙をアニーに牙をむいたときにも、彼女がすでに先にビジョンを見ているのを見ているので、どうなるかもこっちはもう知っているというか。ああ、見た通りになっちゃったね、っていう感じで。

 

 バディのことも保安官に言われるまで全然気がつかないっていうのはさ、いくらなんでも気がつかなさすぎじゃないか。

 でもそうか。アニーには実体と霊体の区別がよくついてないからしょうがないのか。そうか。そういうことか。

 

 特殊能力があるからって必ずお役にたてるわけじゃないんだよ。こんな能力あっても面倒臭いだけなんだよってことかな。 ご主人についてもわかっていても救うことはできなかったわけだし。

 

 まぁ、俳優さん目当てでみたので些細なことは別にいいんです。 2000年だったらCSI:科学捜査班もはじまったばかりで現場における証拠の保持やらなんやら知識も一般普及していなかったからうやむやでよかったんだろう。裁判のこととかそれが証拠として有効とかどうとか、この20年でいろいろ変わるところもあっただろうから、当時はそれで大丈夫だったんかいね〜なんて、もやもやもやーんな感じで、そこはもうほっとく。

 

 それにしても、この映画の登場人物の中で一番悲しかったのはバディなわけで。彼は小さい頃に父親から性的虐待を受け続けていて、それを母親に黙殺されたことが原因で心をこわし、どうやら精神病院に通院している模様な人物。感情をコントロールできず、興奮すると暴力衝動を抑えられない。彼は自分の中に巣食う闇を恐れ、必死にアニーに救いを求めていたわけですが、アニーは多少親切にしてあげることはできますが、あくまでも赤の他人ですからいちいちかまっていられません。3人の子供を守り育てるのに忙しいんです。そりゃそうだ。それでもバディにとってアニーは唯一自分のことを人間らしく扱ってくれ、優しい言葉をかけてくれた相手。バディは自分の闇に苦しみながらもアニーのためになにかしてあげたくてたまらないわけです。アニーはバディを助けることも、バディが一番必要としていた時に向き合ってあげることもできませんでした。それでもバディにとってアニーが唯一の救いだったということが、とりもなおさず、現世でバディがどれだけ辛い目にあっていたかということが余計に際立つ感じで切ないというか苦いというか。 バディの不幸はアニーの責任ではないし、アニーがバディを救わなくてはいけないという義務も義理もない。 特殊能力があるからって何か特別なことができるってことでもない。 アニーはアニーで生活がある。 自らの努力なくアニーが特殊能力保持者だからって助けてってすがっても”甘えてんじゃねーよ!”とチコちゃんに怒られてしまう。

 そういう話なんかね、これは。

 

 あとは〜、暴力夫をキアヌ・リーブスがろくでもない感じで演じておりました。ちゃんとゲスい暴力夫にしかみえなかった。 バディを演じていたのがジョヴァンニ・リビシ。キワモノやらせたら天下一品。

 今回はこのジョバンニ・リビシ出演作品攻略第二弾でございました(どうでもいいよ)。

 この俳優さんにハマって出演作品を攻略しようと決めた時、どうせ悪役とか殺される役なことが多いんだろうなぁと覚悟を決めていましたが、いまのところ良いもん役です。驚きです。

 

私の好み度: ⭐️⭐️/5

🍅: 57%

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