映画鑑賞メモ

ネタバレを含んでいますのでご注意ください

サンバ (Samba)

 叔父の勤めるレストランに料理人として正式に雇用されることになったサンバ。料理人の資格と滞在許可を申請にいくとすでに国外退去通知を送付してあると言われる。移民局に相談にいき、異議申し立ての裁判を起こすが、結局国外退去となってしまう。

サンバ(字幕版)

サンバ(字幕版)

 

 

 

フランスの制度を全然わかっていないので、サンバのおかれた状況を今ひとつ把握できていないのがネックとなって、感想文書くのに心折れかけているのだが、とりあえず書き出してみる。

 えーっと、一度却下された滞在許可を申請できるのに必要な期間が約1年。料理人で正規雇用されることとなって、滞在許可と料理人の資格を申請したら入れ違いで、国外退去命令を送られてしまったサンバは不法滞在ということになるので、その1年いかに法の目をかいくぐってフランスで過ごすかということなのかな。10年真面目に働いていた、その10年間もすでに不法滞在だったのか、それとも期限切れになったのか...。多分前者なんだと思うんだけど...。

 サンバはサンバの叔父さんと一緒に暮らしていて、叔父さんはレストランで正規雇用で働いている料理人で滞在許可書ももっている。でも、その許可書をサンバに貸したため、警察の手入れがレストランにはいったとき、許可書をもっていなかったために逮捕され、レストランからも解雇されてしまう。

 移民局には大勢の移民の人たちが毎日のようにトラブルの相談に詰めかけるけれども、対応している職員は法学生か高齢者か語学を活かしたい有志者のひとたち任せな感じ。

 映画を見ている限りでは、運が良ければ見逃してもらえるし、運悪く法機関がきっちりと仕事をするタイミングにかちあってしまったらアウトみたいな。だからできるだけ目立たないよう目立たないように日々を過ごす必要がある。

 極端な話、生きていくためには働いてお金を稼ぐ必要があり、お金を稼げなければ生きていくのは相当難しい。違法だろうが精神が壊れていようが生きるためにはお金が稼げる仕事がいる。

 人と人の出会いは楽しく喜びを生みもするが、お金を稼がなくてはいけないという前提はかわらない。

 サンバは運河で溺れ死んだ男の「政治難民」の身分証を手に入れ、そして見事再申請手続きが受理されるまで逃げ延びたし、生き延びた。料理人としてレストランに正式雇用された彼の身元がどのようになっているのか映画では明かされることはなかった。正式採用ということでサンバ自身として料理人になれているのか、それとも偽装の身分の上に成り立った正式雇用なのかよくわからない。

 アリスと結婚するなら、強制退去の心配はなくなるだろう。あの流れだとアリスと結婚しそうな感じだったがそこもわからない。

 心を壊したアリスが職場復帰を果たすとき、サンバの幸運のシャツを着用していた。

 ようは”運”次第ということなのか。いや、違うか(おい)。

 サンバのサバイバルは喜ばしいが、サンバに彼女を寝取られたあげく運河で死んでしまった彼のことはどうとらえればいいのか。好感のもてるキャラではなかったからといって、とてもとても”サンバ、厄介な人が死んでくれてよかったねぇ!”と喜ぶこともできない。

 モラルとルールと人情と現実、この辺りをどう消化していいのか。

 でもまぁ、泣き寝入りするはめになるよりはふてぶてしく生き延びたい..ような気もする。 

 無理やり感想しぼりだしたけれど、やっぱりなんだかもやついている。でも移民問題のリアルな側面を垣間見られたのは貴重だったような気がする。まったく知らなかったし、こういう日常感覚で受け止めたこともなかった。 人対人で向き合えば、相手も同じ人間、めっちゃイイ奴で自分よりもすごく真面目でまっとうだったりして、そうなってくると”不法”だからと簡単に割り切ることもできなくなる。向き合うのが極めて難しい問題だ。だからといって”知らない”とずっと目を背けていていいものでもない。むむん。難しい。

 

私の好み度: ⭐️⭐️⭐️/5

🍅:62%

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