映画鑑賞メモ

ネタバレを含んでいますのでご注意ください

マネーボール (Moneyball)

 球団の資金力に圧倒的な差があり、せっかく育てたよい選手は片っ端から引き抜かれてしまう。資金力が勝敗を決めてしまうのか?

マネーボール (字幕版)

マネーボール (字幕版)

 

 

 

 ”ヤンキーズ1億1445万7768ドル vs アスレチックス 3972万2689ドル”
資金力のある方にどんどんいい選手が集まるというのは野球に詳しくなくともなんとなくわかることだが、こうやって数字を見せられると「え?そんなに?」となってしまう。
 従来とはちがう新しい方法をとりいれることはこれほどの摩擦を産むのかという興味深さ。すでにうまく機能しなくなった固定観念に固執し続ければ衰退し、結局は自らの首をしめることになるのは自明の理....とは言いつつも"固定観念”にとらわれずにいるのは口でいうほど簡単なことではない。ましてや自分の生活がかかっていればなおさらだ。

 野球業界の裏側や、主人公が取り入れた新しい手法がうまく機能して本当に勝てるチームになれるのかどうかという興味、派手さはないがついつい興味をひかれてみてしまう。
 また本当になかなかうまくいかないのだ。いやというほど、悲しくなるほどなかなかうまくいかない。この手の映画なんだからどうせ強くなって勝つんだろと思っていても、”あれ?もしや、うまくいかない話なのか?”と本気で心配になってくるぐらいうまくいかない。
 将来を有望視され、スタンダード大への進学を蹴ってプロ野球選手になった主人公ビリー。しかし結局、うまくいかずスカウトに転身するという背景を持つ。

 うまくいかなかったという経験から”今度もだめにちがいない”という疑いが常にビリーの心に影を落としている。その不安と恐怖と人知れず戦いながら、勝てるチームにするための努力を惜しまないビリーの熱さについつい逆転勝利を願わずにいられなくなる。

 人が実力を発揮できるためには何が大事なのか、そんなことも見えてくる。チームが徐々に再生していく様にこちらも熱くなってくる。熱くなってくると同時によく貫けたなと感心する。成功する保証などどこにもない。実際問題、どんなことにもそんなありがたい保証なんてどこにも存在しない。

 いちかばちかの決断、否定されても折れない心、自分を信じる勇気そういったものが要求される。

 その苦しい試練をくぐり抜けたとき、ほっとするのもつかのま、また次の試練に立ち向かわなくてはならない。その時、その時の選択の正しさ如何などあとになってからではないと誰にもわからない。そういった現実とどう向き合うのか、立ち向かっていくのか。静かながらになにか熱いものを残していく余韻は実話を元にしたとはいえアーロン・ソーキン先生のシナリオの凄技なのかなと。

 あとは娘さんが主人公にプレゼントする歌に泣かされるという。

 あれは泣く。絶対泣く。

 今もほら、泣けてきた。

The Show

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私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️/5

🍅: 94%

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