映画鑑賞メモ

ネタバレを含んでいますのでご注意ください

ショーシャンクの空に (The Shawshank Redemption)

 名作映画ということで押さえておくべき作品なんだろうとは思いつつ、なんとなくスルーしてきた。

 

 どうせ重たい作品なんだろうと勝手にきめ込んでいたが、その思い込みはとてもいい意味で裏切られた。刑務所の中でのお話ということ意外まったく前知識はなかったのだが、まさかファンタジーだったとは。それも良質なファンタジー。

 何十年も刑務所で過ごすということはどういうことか、深く考えたことはなかったが、堀の中というだけで、生活は続いていくという、こんな当たり前のことに気がつくことがとんでもなく新鮮だった。50年近く服役すればその世界が全てで、むしろ外の世界の方が怖くなるのも当然だ。老いた分、新しい環境に余計に順応しづらくなるだろう。

 アンディとレッドが主人公で、レッドの目線でアンディの刑務所の中での生き様が描かれていく。

 アンディは他の囚人とは明らかに違うとレッドは語る。そしてアンディが刑務所でなしとげた武勇伝がレッドによって痛快にそして美しく語られていく。

 レッドは腕利きの調達屋で、アンディとはそれが縁で親しくなっていく。

 レッドはアンディに刑務所の中で正気を失わずに生きていくためには、希望は持たないことだとアドバイスするが、アンディは刑務所の中で可能な限りできる人間らしい生き方を模索しつづける。そのためにアンディが支払った代償も大きい。

 しかし、アンディは諦めるということを知らず、そのための努力も犠牲も惜しまない。そしてある時あることを見事に成し遂げ彼は伝説となる。

 刑務所の中のこととして見ているが、途中から刑務所の外での人生も彼らとそう変わらないように思えてくる。刑務所を人生、もしくは社会と置き換えてもぴったりとくるような気がした。

 逃げようのない現実、しがらみ、人間関係、自分の居場所、役割。

 最初はこんな窮屈な生活は耐えられないと、いつか抜け出してやると思いながら時間だけがどんどん経過し、だんだん、そんなことにこだわる自分を捨ててしまう方が楽に生きていけると自分を騙し騙し妥協しながら環境に適応していく。

 年齢を重ねていくごとに変化を嫌うようになるもので、そうなってくるとそれまで築いてきたものを捨て、1からやり直す覚悟などなかなか出来るものではない。

 それでも、そういう状態に否応なく追い込まれることもある。出所後の生活はなんだか定年退職後の人生どう生きるかと模索している姿と似たところがあるようにも感じた。

 アンディはレッドにとってのファンタジーだったのかもしれない。どうしようもない刑務所生活、もしくは人生で自分を失わずに生きていくためのファンタジー。

 HappIly Ever Afterなエンディング。そんな夢みたいなことが誰かの人生の中で起こったっていい。話を聞くだけで元気をもらえる。

 アンディとレッドの物語は最高のファンタジーだ。

 

私の好み度: ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️/5

🍅: 91%

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